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山見浩司 角敏郎 細野朝士

万華鏡作家烈伝 - 細野朝士 -

一つ上に
細野朝士 プロフィール
1969年生まれ。
千葉大学工業意匠学科空間デザイン分野卒業
1993年 株式会社 丹青社入社
1997年 退社、創作活動に専念
万華鏡を中心に、様々なイベントに参加している


 
細野さんスナップ今回の待ち合わせは、細野氏が出展しているオゾン・クラフトフェスティバル。購入する人との接点を大切にする細野さんらしく、この手の街角アートフェスタ系に精力的に出品されている。待ち時間に出展されている様々なアートを楽しんだが、出展者が自分の作品そっちのけで、購入した細野さんの万華鏡に見入っているのには笑ってしまった。聞くところによると、今回の展示では細野さんの万華鏡が一番人気とのことだった。
展示終了後に、細野さんの奥さまともご一緒に、日本酒を飲みながらのインタビューとなった。
細野さん万華鏡外観Q: 万華鏡との出会いは?
A: 空間デザインの仕事してたんですけど科学館を作る企画があって、さて何をしようと。
その時万華鏡のお店をTVで紹介してたと言うので見に行ったんです。
その時は作ろうと思わなかったですね。
従姉妹が言うには小さいとき買ってもらった万華鏡を、すごく喜んで見てたらしいですけど。

Q: それが作り出したきっかけは?
A: 食ってかなきゃならなくなった(笑)
自分がやりたいことやりたくて会社辞めたんです。
一年好きな絵を描いてみたけど食っていくのは大変です。
万華鏡なら食っていけるという自信があったんで作り始めました。

Q: なぜ自信があったんですか?
A: 誰もが魅力を理解できるでしょう? わー、きれい!って。
けっこういい値段でお店に並んでるし、これならペイするかなって。

Q: 生活の手段として万華鏡を作り始めたわけですね。
A: 絵を一年描いててつらかったんですよ、けっこう。元々は誰も評価してくれなくても、俺はいいんだよって頭で始めたんです。ただ、それが続くと・・・
自分は認められたいんだってことに気がついたんです。そのためには自分らしいことをしなきゃいけない、じゃあ自分らしいことってなんだろう?
この世の中で自分のポジションはどこだろう、どこにいるのが楽しいんだろうと考えて・・・。ある程度奇抜で、それなりに人も認めてくれる場所が心地いいかなと。

Q: まったく誰も振り向いてくれないところでは描けない?
A: 生活していかなければなりませんし、副業みたいなのも嫌いですし。自分の世界に引き込んでいくよりも、いいバランスの所をポンポン変わっていくのが自分らしい。長い時間をかけて自分の世界観が見えてくると考えています。
とりあえずそこにあって一番いいのが万華鏡だったんです。

Q: 最初の作品はどのようなものでしたか?
A: 最初ステンレスで作りたくて、金属屋行ってミゾ切ってベアリング入れて回転するようにしたいって言ったら「何万もかかるよ」って言われました。
あきらめて塩ビパイプ。回転させるようにして偏光フィルム使って。

Q: 最初から偏光フィルムを?
A: 他に誰もこんなの知らないだろうって(笑)。逆に偏光フィルムがあったからイケると思ったのかな〜。
科学系って好きなんですよ。原理みたいなの。
この原理面白いじゃない、これでこういう風に作ったらカッコイイじゃないみたいな、そんなノリなんですね。魂がどうとかって熱いノリじゃなくて。何か組み合わせてセンス良くやったらいいじゃないって。そのセンスが大切だと思っています。

Q: 最初の万華鏡への周囲の反応は?好評でしたか?
A: 一応・・・(笑)好評と言う取り方もありますけど・・・、こいつ大丈夫かなって皆思ったでしょうね。それはもう覚悟の上で「おまえらわかんないだろうけどこれで食ってけるんだよ」って(笑)。

Q: すごい自信じゃないですか。
A: 常に自信だけはあります。それは自分の可能性みたいなものに自信があるってだけのことで。ダメだったらダメで次に自信持てばいい。空威張りじゃないですけど(笑)。

Q: その頃奥様とはまだ結婚されてなかったんですよね。堅気の会社員辞めて万華鏡作るって言い出したときはどう思われました?
A(妻): 不安でした。
A(細野): 全然乗り気になってくれなくて、結構争ったんです。万華鏡好きなんですよ、この人。でもオレがこれやるから、絶対食えるからって話した時も実際モノ見ないと判断できないって。頑張る気にさせろよ、って思うんですけど正直だから。モノ見ないとわかんねーなんて。じゃあ作るよって。
A(妻): 出来てみたら思ったよりイイモノが出来てきたから・・・。ちょっと面白いなと思って、応援する気になった。まだ弱かったですけど(笑)

Q: それを持って万華鏡の店に?
A: 昔館に行きました。透明アクリルの内側にペイントしたやつ。

Q: 見た覚えがあります。
A: こわいですねー。見たくないですね。回収したいくらいです(笑)。

Q: 修理の依頼が来たことは?
A: あります。来てくれれば新しいの渡したり。直すって言っても直せないことが多いので。

Q: その作品を直して欲しいって方が多いんじゃないですか?
A: 万華鏡のいいところは二度と同じ映像がでないんですよってことで・・・。できるだけ応えますけど。

Q: 奥様は今はお仕事は?
A(妻): してないです。辞めちゃって。

Q: じゃあ養ってる?
A: 収入担当は私ですね。

Q: 世間では養ってもらってることになってますけど。
A: そんなことありませんよぉ(笑)。まあそれも悪いこととは思いませんけど。いったい誰がそんなこと言ってるんですか。

Q: 私達かも(笑)
A: 全然問題ないですよ。万華鏡で十分生活できますよ。今はとりあえず。

Q: 万華鏡作って昔館に持って行ったんですね。
A: アクリルのやつとステンレスのと、もう木のやつも作ってたと思います。ちょっとオシャレでしょ?

Q: 斬新で面白かったです。形によっちゃ見づらいのがまた。
A: あれはこだわりがあるんですよ。完璧に万華鏡だけと言うんじゃなくて、できればオブジェとして見せたい。

Q: じゃあ、あれはわざと。
A: ちょっと見えるくらいでもいいじゃない。見たいけどなかなか見れないみたいなのも面白いと思っています。

Q: あれは流木ですか?
A: いや、でっかい木の根を取って来て、切って削ってます。先に穴あけて、根っこの形と穴の位置で出たとこ勝負。

Q: 喜多郎さんのステージに参加されましたね。どういうお仕事だったんですか?
A: 最初は、ビッグネームだから振り回されるとやだなと思ったんです。それでしぶりながら話し聞いて・・・万華鏡の映像使いたいという話なんです。万華鏡お買い上げならそれはそれでOK、でも映像は誰のモノかってのがちょっと・・・。

Q: 買った後の映像の使用権ですか。
A: 大したことじゃないんですけどボクが心配したのは、その映像作品が監督なり担当なりの誰かの代表作ってことになったら、オレの万華鏡回しただけなのに・・・、気分良くないなって思ったんですよ。

Q: 万華鏡の映像使用権って、まだはっきりしてないですね。
A: はっきりしなくても良いのかもしれないけど、誰かがやっちゃうとね。

Q: 個人で楽しむ分には問題ないと思うんですが、映像の再利用権となるとどうなんでしょうね。
A: あー、どうなんでしょうねぇ。教えてください(笑)。万華鏡売るんじゃなくて、協力して貸しますよって話でしようかなーと思ったんですけど、結局は特注お買い上げで、ご自由に使ってくださいって感じですね。作ったのはテレイドなんで誰が作っても同じなのかもしれないけれど、カメラとの接合やスクリーンに対しての大きさ・・・、鏡の組み方も特殊な狭いものでやりたいってことで、苦労しました。使ったって言っても、ホント短かったんですよ。でも喜多郎さんも万華鏡が好きで、自分でも一本持っておられると言ってられました。

Q: 万華鏡作っててうれしかったことは?生活ができるようになったこととか?(笑)
A: それはボクの中では当たり前だと思ってたから・・・、自分の感覚に自信が持てたってことでしょうね。あとはお客さんとの話の中で、それは毎回毎回うれしいですね。買ってくれてありがとう、売ってくれてありがとうという関係は、とてもよいと思います。

Q: 困っていることありますか?
A: ないです。ストレスないです。


Q: 奥さまにあるんじゃないですか?
A(細野): ないよなー。
A(妻): ないない(笑)
A(細野): なんかムリしてない?
A(妻): ないない(笑)

Q: 作品を作るときに気を付けていることは?
A: 鏡の組み方の精度ってどんどんあがってっちゃいますね。これじゃあ納得いかないって。前はこれでOKだったはずなのに。やっぱりそこらへん恥ずかしいことできませんし。それと木のタイプは楽しみながらゆっくり作るってことですね。

Q: 気になる作家はいますか?
A: 角さん好きですね。金属加工の技術と歯車の知識があればああいうのも作りたい。いや、作ろうと思ってました。角さん知らないときに。
ローテクの魅力ってありますよね。で、歯車のカタログ取り寄せたら、ものすごい図鑑みたいで、何注文していいのかわかんない。できないやって。
角さんいてくれたんで、ボク手を出さないで済んだんですよ(笑)。センスもいい、技術もある、スゴイと思って。機械仕掛けのカッコイイ万華鏡をどんどん作って頂きたいです。

Q: これからの抱負は?
A: 今は万華鏡と思ってやってるけど全然こだわってません。常に新しいこと考え始めないと、面白味がなくなってきますから。ちょっと違ったこともやってみたいですね。科学系が好きなんで、次肩書きがサイエンスアーティストになってもいい。
ただ、今肩書きは何ですかって聞かれると万華鏡作家ですよって言えるし、それしかないし。今は動きがいもやりがいもあるのですが、同じような動きで同じような作品作る人が出てきたら、ボクは必要ないなって思えるんでしょうけど。
 
結局、管理人A+B、細野夫妻の4人で延々と4時間以上、酒を飲みながら万華鏡の話に盛り上がりました。
インンタビュー後、細野さんに今回の原稿を確認いただいたところ、「僕、すごくエラそうだ」と気にされていましたが、もしこのインタビューを読んで、そんな印象を持たれた人がいれば、それは文章シロ−トの管理人のせいです。
 


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